PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 11
さて、このコーナーというか思いつきも佳境に入って参りました。ちょっとCreoElementsを触ってみる程度のつもりがなんやかんやと長くなりまして本日11回目、いよいよ一番の難関、目玉の部分の作成を行いたいと思います。下の画像を見ると、目玉は正面から刳り抜かれているのでは無くて、頭部の曲面に接する方向から切り取られているのが分かるでしょうか?(実物がある方は斜め上から見ると円になるけれど、正面から見るとほんのちょっとだけ垂れ目っぽくなっているのが分かると思います)。それではこの方向から切り取るためのワークプレーンの作成から行っていきたいと思います。
まず、水平なWPで目玉の中心位置を探っていきましょう。寸法図を思い出しまして...
図1.おなじみの寸法図
目の高さは頭部の下のラインから9mmになっています。幸いw5が頭部下の面が乗るWPになっていますので、w5を基準にオフセット9mmでWPを作成します。(図2)
図2.目線の高さにWPを作成する
WPができあがったら、今度は頭部曲面に接する線を引いていくために、頭部の断面を新しいWPに投影します(図3)。「図形投影」>「断面」を選ぶとアクティブなWP上に任意のパーツとの交線(WPによる断面図)を投影することができます。今回はパーツが一つなのでp1との断面図が投影されます。
図3.頭部の断面図を作成する
さて、図4.に移ります。断面図を正面から見て目の間隔の18mmになるように2本の線を引いていきます。目玉の中心位置に交点が来ればOKですので、まったく同じスケッチを描く必要はありません。また図4.のやり方は僕の好みなのでやりやすい方法でスケッチを描いて下さい。
図4.目の中心位置を探る
続きまして、目玉の位置で頭部の断面図に接する直線を引いていきます。直線のスタートを目玉の位置に設定してカーソルを動かすと、隣の線達のと関係が表示されます。今回は図5の接線マークが出ている位置で直線を引きます。これもWPを作るためだけの線なので長さは適当でOKです。反対側の目玉の分も今のうちに引いておいて下さい。線が引けたら、目玉中心を原点、この接線を法線とするWPを作成して下さい、ちょっとはしょりますが、図6も参考にするとできあがりのイメージがわきやすいと思います。
図5.目玉の位置から接線を引く
さて、できたWPには先ほどのようにp1の断面図を投影しておきます。できあがりは図6のようになります。
図6.目玉を通るWPと断面図
はい、次は目玉を切り取るためのスケッチを描きます。実際には使わない線が黒くなっていたり、逆に使う線なのに図7では下書き線になっていたりしますが、見やすいように敢えてそうしています。まずは目玉の位置に直径5.5mm(半径2.75mm)の円を描き、その円と頭部曲面の交点を通る接線を描き、次にその接線と垂直になるように長さ0.5mmの線を引きます。そして、この短い線の端点(頭部内側)と目玉の中心点の3点を通るような円を描きます。「作図」>「円」>「3点」という便利なコマンドが用意されているのでありがたく使用しましょうw
図7. 目玉部分を切り取るスケッチを描く
とりあえず図7が完成したら不要な部分をトリムしたり削除したりして、図8のようなスケッチを完成させます。そして目玉がの向いている方向の線を中心に回転削除(プル回転)させるとカワイイ目玉ができあがります。
図8.スケッチ完成と回転削除
同様に反対側の目も切り抜くと図9.のようになりました!これで誰が何と言おうと腕の無いドロイドくんに見えますね!今回は細かい説明をかなり省きましたがどうだったでしょうか?シンプルな形状も手伝ってカンタンにモデリングできたのではないでしょうか?次回はいよいよ最終回、になると思います、きっとw 気力が続けば次回で腕をつくって完成!ということになりますのでお楽しみに!\(^o^)/
図9.目玉が切り抜けました
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PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 10
はい!前回までで角が一本生えてかなりそれっぽくなりました(図0)。今回はその続きから、まずはもう一本の角を作りたいと思います。
左右の角は対称なので、前回描いたスケッチを再利用していきます。前回と同様に、w7に重なるWPを作成して(w8)、これまた前回も使いました「図形投影」>「一般」を使って角のスケッチ部分をw8に投影します(図1)。
スケッチを投影したら今度はスケッチを対称にコピーする準備をします。頭頂部から縦に線を引き、図2のようなスケッチにします。そして「2D編集」>「その他」>「対称」を選び、「要素」で角のラインの4本を選択、「稜線」を選択し、回転中心となる直線をクリックしてコマンドを完了します。
これで左側に角のスケッチがコピーされましたが、右側のコピー元のスケッチが残っているので、これを下書き線にしておきます(図3)。
左の角のスケッチができたら前回を思い出して左角を「プル回転」しましょう。「操作」を「自動」から「形状追加」に変更するのをお忘れ無く。図4のようになればOKですね。
次は足を作りましょう。胴体底面に新規WPを作成します。「面に平行」で底面を選択します。w2を表示にしておけば、底面の円の中心に原点を設定できます、が、まあしなくても問題無いです。
さて、図6で寸法を確認してっと...
胴体の底面にスケッチを描いてみて下さい。27mm x 9.5mmの長方形を7.5mm間を空けて描いて、フィレットで角を落とすのが楽でしょうか?...んん?あれ?図7を見ると足がフィレットの曲面まではみ出してる!!!フィレットが大きすぎた見たいですね...orz このまま足を作ってしまうと根元に隙間ができてしまうので、動体のプル回転をやり直したいと思います...orz
胴体のスケッチw2をアクティブにして、フィレットのラインをクリックします。(画像には出ていませんが)メニューがポップアップされるのでその中の「2Dフィレット編集」をクリック、ウィンドウの中の「新半径」を4mmに設定して完了します(図8)。スケッチを直しただけではパーツは変更されないので、もう一度プル回転をします(図9)。
さて、これでフィレットの内側に足が収まっているので、これでプル直線をします。足の長さは13.5mmです(図10)。
最後に足の裏を丸くフィレットを取っていきます(図11)。「一定半径ブレンド作成」を選択、左右それぞれでひとつずつラインを選択して、「半径」を4.75mm未満で設定します(足の幅が9.5mmなのでその半分未満で設定する)。
というわけでシルエットはもうドロイドくんになってきましたねー。次回は目玉の作成かな?ではまた次回をお楽しみにー\(^o^)/
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PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 09
続けて頭部のモデリングを進めましょー\(^o^)/
まずは頭部のスケッチを描くためのワークプレーンを作成するためのWPを作成しますw 直接WPを作成できない場合は別にWPを作成して目的のWPを作成していきます。では前回までの要領で胴体上面にWPを作成します(図1)。原点を円の中心にしたかったのですが、中心を掴めない(デフォルトでできるようになっていると思っていたのですが、前回上手くいったのは別のスケッチの直線を基準にできたから、のようです)ようなので、円周上で掴めた右の端っこを原点にしました。ぶっちゃけ今回は何処に原点を置いても大丈夫ですw
次に、このWP上に図2のように、円の中心で交わるような十字の線を引いていきます。この十字線は頭部WPを作成する際の原点と法線(面と垂直に交わる線、面の方向を表します)の基準にします。(まだ掴める/掴めないの基準が分からない...)今回は円の上下端、左右端が掴めるので、この4点を基準に線を引きます。
準備ができたので頭部WPを作成します。「新規ワークプレーン」を選び、「WPに鉛直」、原点を十字の交点に設定、「法線」をクリックして十字の縦線のカーソルを合わせます。法線方向に青色の矢印が出てくるので、矢印がモデルの正面方向(画像では下方向)を向いていることを確認してクリックします(図3.)。矢印の形が変わって固定されれば完了です(図4.)。
これで頭部WPが完成しました!が、WPが多くなってきて少々見づらくなってきました。そんな時は右側の「構造一覧」ツリーのチェックボックスをオンオフすることでWPやパーツなどの表示/非表示を切り替えることができます。
次は頭部のスケッチ作成です。まずはざっくりの形状を三角形で描いてみます。「直線/円弧」を選び、原点→頭部の右下端→頭頂部の順に線を引いていきます。。原点から右下端へは22.5mm、頭頂部は原点の真上で高さが18mmになる地点を選択します。今回は胴体の部分からと、原点からガイドが表示される(はずな)のでそれを見つつ進めていきます(図6)。
さて、ご存じの通り、Bugdroidことドロイドくんはこんなに尖ってませんwので、身も心も丸くしていきたいと思います。(これ探すのに時間かかったんだよ...orz) 「作図」>「スプライン」>「楕円」>「中心&2点」を選択し、原点→右下点→頭頂部とさっきの順番でクリックすると楕円が作図できます(図7)。楕円の右上部分と三角形の直角を挟む二辺以外は不要なので、「2D編集」>「トリム削除」で削除して、プル回転で頭部を作成します(図8)。
いつもだとこれくらいで続きはWebで!とかにしちゃうんですが、スピードアップのためにもうちょっとだけ続くよ!次は角!先ほどのWPと同じ位置に作図したいので「新規ワークプレーン」>「ワークプレーンに平行」を選ぶと今アクティブなw6が基準に選ばれているのでそのまま完了ボタンを押します(図9) 恐ろしいことに、チュートリアルを見ていると「使用したWPは消しちゃってOK!」みたいなことが描いてるのです!なのでWPを新しく作るのめんどくさい!と言う人はさっきのスケッチを消して同じWPに描くという手法を取っても誰に恥じることもありません!私に止める権利は無いのです...orz 確かに以前書きました通り、このソフトはパラメトリックな3DCADではないので、スケッチを修正してもその修正が反映されることはないのですが、修正とか追加とかを考えると情報として残しておくのが吉かと思います。掴める/掴めない問題もスケッチがあれば掴みやすくなりますし。なので改めて本家に逆らいたいと思います!スケッチは残せ!邪魔なら非表示にしろ!と。
さて閑話休題。本筋に戻ります。先ほど新しく作ったWPに角のスケッチを描いていきます。角は(画像を測定すると)水平面から55°の角度で立っていて、下に延長していくと頭部下面の中心を通るようです。あ、モデリングが進んでいくと作成したパーツ自体が邪魔になることも多いです。今までの所1つのパーツに継ぎ足す形で作成していますので、構造一覧に一つだけあるパーツp1を非表示にしておきます。では図10の様に原点から仰角55°で直線を引きます。ちょっと長め(頭部からはみ出すよう)に引いておきます。
次に、この直線が頭部からはみ出す位置から角を生やしたい、のですが、この頭部の輪郭線の楕円弧は見えているのに交点を掴むことができません。これは楕円弧はw6の上に、角の直線はw7上にあるからなので、w7上にも同じ直線を引く必要があります。もう一度同じやり方で描いても良いのですが、折角スケッチが残っているのでこれを活用しましょう。「作図」>「図形投影」>「一般」を選び、小さいウインドウが出たら楕円弧をクリックして完了ボタンを押します。画面上は変化が無いように見えますが...w6を非表示にしても楕円弧が残っていれば投影は完了です。
ではこの交点を基準にして角のモデリングをします、が、細かいことは割愛しますので練習問題だと思って作図をしてみて下さい。傾いている以外は以前やったモデリングとほぼ同じです。ちょっとだけ違うのは角を頭部表面より下から作らないと隙間が空いたりしますので、内側に0.5mmほど延長させて作図して下さい。
スケッチができたらプル回転させます。今回は元々あるモデルに重なるということで、「操作」を「自動」にしておくとスケッチの形状を削除してしまうようなので、「形状追加」にオプションを変更して回転させます(図12)。
さてさて、これでようやくそれっぽいモノができてきました(図13[)。 この後がちょっと立て込みそうなので今回はここまでにします。それではまた次回をお楽しみに!
PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 08
流石にエアコン無しでは厳しい暑さになってまいりました...それでも湿度が低いからか日陰&風が吹いている場所は意外に涼しいような気もしますが気のせいかも知れません...さて、それではいよいよ(ようやく)ウワサのあいつのモデリングをはじめようと思います。そういえば、やつは日本では「ドロイド」とか「ドロイドくん」とか「アンドロイド」とか「アンドロイドのロボ」とか好き放題に呼ばれていますが、それもそのはず、正式名称は存在しないんだとか...BugDroidとかGoddieとかいう説もありましたがそれも違うようですね。少なくともどう呼んでもGoogleさんに怒られることはなさそうですw
それでは前回の続きから作業を続けたいと思います。あ、前回言っておけよ、と怒られる気もしますが(-_-; メニュー「ファイル」「保存」から「ファイル タイプ」を「セッション(*.se2)」を選んで保存しておくと、前回の作業内容を保存しておくことができます。これをテンプレート的に使うのも便利かと思います。
では、今度こそ.....
PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 07
と、なんかネガティブ発言っぽく見えますが.....
PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 06
えっと前回、「次から本体のモデリングするね!」って言っちゃったんですが、角をもう一本別の方法で、っていうのをすっかり忘れていましたので、先にそちらをやっちゃおうと思います。モデリング本番は次からということでごめんなさいでしたm(_ _)m さてでは気を取り直しまして、前回では「プル直線」(=押し出し)コマンドを使って、ワークプレーン(=WP)上に描いた平面図を3次元に引っ張ってモデリングしました(図0)。
今回は「プル回転」というコマンドを使ってモデリングをしていきます。文字通り、WP上の平面図を回転させて、その図が通った領域を立体化していきます。そのため、「どの図を回転させるのか」と「何処を中心に回転させるのか(回転軸)」と「どれくらい回転させるのか(角度)」を指定する必要があります。
それでは作業を進めていきましょう。